1年程前に噂になっていた、ニンテンドースイッチの小型モデル「Nintendo Switch Lite」が正式に発表された。
この記事では、発売前の現段階で判明している情報を取りまとめた上で、内容について解説していく。
ニンテンドースイッチ Liteの違い
以下にニンテンドースイッチとニンテンドースイッチ Liteの主な違いをまとめてみた。
ソフトなどは原則共通となっており、
公式サイトで性能向上に対する言及はないことから純粋な小型化と考えられる。
ニンテンドースイッチとLiteで違う箇所は赤字となっている。New2DSについても比較のため記載しておく。
ニンテンドースイッチ Lite | ニンテンドースイッチ | Newニンテンドー2DS LL | |
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発売日 | 2019年9月20日 | 2017年3月3日 | 2017年7月13日 |
希望小売価格 | 19,980円 | 29,980円 | 14,980円 |
サイズ | 縦91.1mm 横208mm | 縦102mm 横239mm | 縦86.36mm 横159.36mm |
厚さ | 13.9mm | 13.9mm | 20.8mm |
重さ | 275g | 398g(JoyConあり) | 260g |
解像度 | 1280x720 (5.5インチ:267ppi) | 1280x720 (6.2インチ:237ppi) (ドック時1920x1080) | (上)400×240 (下)320×240 |
CPU性能 | 8コア 1.0GHz | 8コア 1.0GHz | 4コア 268MHz(推定) |
GPU性能 | 157.2 GFLOPS(携帯時) | 157.2 GFLOPS(携帯時) | 256MB(推定) |
メモリ性能 | 4GB 25.6GB/s | 4GB 25.6GB/s | 256MB(推定) |
バッテリー性能 | 約3時間~ 7時間 | 約2時間30分~ 6時間30分 | 約3時間30分~ 6時間30分 |
Wifi | IEEE 802.11 ac | IEEE 802.11 ac | IEEE 802.11 n |
発売日と価格
価格はニンテンドースイッチよりも1万円価格が下がっており、2DSの価格帯に近くなって
より買いやすくなっている。
発売日は2019年9月20日。
なお、予約開始は8月30日となっており、既に予約が開始されている。
現在のカラーラインナップは、イエロー・グレー・ターコイズの三種類。
ポケモン ソード・シールド同梱版
すでにポケモンソード・シールド同梱版、および該当カラーのシアン・マゼンダについてはAmazonで予約が開始されている。
サイズと重さ
ニンテンドースイッチLiteのサイズは、縦・横共にそれぞれNew2DSとニンテンドースイッチの中間的な大きさになっている。
現行のニンテンドースイッチは、大人でも携帯モードで遊ぶ場合は少々大きく感じるため、子供でも取り回しのしやすい大きさになっているのではないだろうか。
重さも現行機から100g以上ダウンし、ほぼNew2DSと同じ程度に抑えられているため、外での携帯モードは快適になるはずだ。
解像度
液晶サイズは6.2インチから5.5インチにダウンしているので、2cmほど小さいものの、
解像度自体は現行機と変わらず、1280x720となっている。
単語に馴染みのない人に向けて、補足しておくと、
解像度とは、縦x横にどの程度の画素数(点)が描画できるかを示す。
「綺麗な画面」と認識するためには、解像度の数字が大きいことももちろんだが、密度が大事。
(1インチあたりのピクセル数をppiという単位で表す)
例えば、iPhone8の場合は326ppi、Mac Book Proの場合220ppiほどで、
高いほど高精細な画像が表示される。
おおむね200ppiあれば、「綺麗な画面」と認識できるようだ。
CPU性能
コア数が多いほど、同時にたくさんの処理をこなすことができる。
また、同一のCPUアーキテクチャを採用している場合、
クロック周波数が高い方がより高速に処理できる。
厳密には採用されるCPUアーキテクチャによって全体の性能は変化するが、
CPUの処理性能はCPUコア単独の性能×コア数で、
大まかに処理性能を計算することができる。
ニンテンドースイッチの場合、CPUはARM製Cortex-A57の4コア+Cortex-A53 4コアで、
合計は8コアとなっている。
Cortex-A57がメイン処理を担い、
Cortex-A53は省電力で負荷の小さい処理を行うように役割分担している。
GPU性能
グラフィックの処理性能を示す。
FLOPSは1秒間に何回浮動小数点数演算ができるかの単位で、
「どの程度のポリゴン数を秒間何フレーム描画できるか」という重要な性能値。
ニンテンドースイッチ Liteについては、現行機の携帯モードと同等の性能だと考えられる。
※ニンテンドースイッチはドックに接続しテレビ出力する際には、描画サイズが大きくなるため、393.2GFLOPSまで向上する。
バッテリー持続時間
ニンテンドースイッチLiteは携帯機専用ということで、事前の予想通りTVへの出力機能は削除された。
現行のニンテンドースイッチは、TVへ出力するためにCPU・GPUに余剰性能が必要だったが、
今回は携帯モード専用なのでその分無駄な性能を抑えることができ、バッテリー時速時間が伸びている。
操作性
操作性については、もちろん実機の発売を待たなければいけないが、
少なくともボタン等の削除、配置の変更はないため現行機から大きな変更はないと思われる。
ニンテンドースイッチ Liteから削除された機能
おおむね性能はそのままに単純に小型化されたニンテンドースイッチ Liteだが、いくつか削除された機能も存在する。
・JoyConは別売り
・HD振動削除
・モーションIRカメラ削除
・テーブルモード用の衝立削除
基本的には本体と一体化したJoyConで操作するので、ごく一部の携帯モードに対応していないソフトはスイッチLiteでは遊べない。
またスイッチにはJoyConの形状と内蔵モーションセンサーを利用して、ユニークな操作方法のあるソフトもあるが、それも使えない。
またHD振動やモーションIRカメラを使って遊ぶソフト(ちょっと思いつかないが)は遊び方が制限されるとのこと。
価格が抑えられた分、現行機にあったスイッチ独自の遊びの部分は削除され、ある意味普通の携帯ゲーム機になった印象だ。
個人的な所感
現行のニンテンドースイッチはやはり携帯モードでプレイするには少し大きい。
大人でもそう感じるのだから、子どもにとっては余計に大きく感じるだろう。
また家庭によっては複数のニンテンドースイッチを買うところもあるはずで、
機能を抑えた低価格版が出ることは素直に歓迎したい。