今回はSAO劇場版「オーディナル・スケール」の感想とレビューを書こうと思う。
多少ネタバレがあるので注意して欲しい。
画像は劇場版SAOのパンフレット。
設定資料と関係者へのインタビューとなっている。
映画「オーディナル・スケール」とは
(出典:http://sao-movie.net)
ソードアート・オンラインの劇場版で、完全新作。
時系列的にはアニメ2期の直後。
今回はVRではなく、ARデバイス「オーグマー」が流行している
現実世界での出来事が描かれる。
多くのシーンの舞台が現実空間のため、今までのSAOとは少し違ったキリト達が観られる。
一見ただのARデバイスである「オーグマー」だが、
その奥にはSAOからの生還者達に対する大きな陰謀が渦巻いていた。
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感想とレビュー
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バトルシーンはとにかく必見
アニメSAOと言えば、ゲーマーなら誰しも憧れる世界観と、
よく動くバトルシーンが魅力だ。
その点、この劇場版はその方向性をより推し進めたものと言える。
映像は全編に渡って高品質。安定していてよく動く。
特にバトルシーンについては、原作未読組をも魅了する出来で、
TVアニメ版でもよく動いていたが、今回はそれに輪をかけて出来がいい。
バトルシーン目当ての人は、絶対に見るべきだと言えるだろう。
製作者サイドから垣間見えるアスナへの愛
また、キリト達一行の日常描写にも力が入っている。
特にアスナの作画に関してはかなりの愛を感じるし、入浴シーンも完備。
アスナに関してはほぼ全編出ずっぱりで、制服姿を筆頭に、衣装も豊富だ。
アスナ目当ての人も、絶対に見るべきだ。
もちろん、他のキャラクターも掘り下げられているが、
リーファだけはかなり出番が少ない。
MORE DEBANSは、リーファIN、シリカOUTといったところか。
オーグマーが欲しくなる!未来を切り開くSAO
劇中で使用されるARデバイス「オーグマー」はバイザーもなく、
耳につけるだけという簡素なデザインながら、AR表示を可能としている。
監督によれば、これは実際のデバイスのデザイナーによるデザインということで、
オーグマーは実現可能性が高いデバイスとのこと。
案外、舞台となった2026年頃には現実でも使用できるかもしれない。
IBMによるSAO再現プロジェクトもあるし、
現在のVR近辺の未来技術は、SAOの持つイメージの力が牽引している、
とさえ言えるかもしれない。
劇中歌は神田沙也加。さすがの貫禄
(出典:http://sao-movie.net)
また、劇場版のもう一つの魅力が、ユナ(CV:神田沙也加)の歌う劇中歌。
バトルシーンの多くに歌が挿入されており、バトルシーンの迫力と、劇場の音響効果も合わさって
猛烈にテンションが上がる。
思わずサントラを買おうかと思ったほどだ。
こんな人におすすめ!
SAOが現在進行形で好きな人、
または過去にハマったけどいつの間にか距離を置いてしまった人、
アインクラッド編が好きな人、
キリトとアスナの2人に思い入れがある人には無条件でオススメする。
未視聴なら今すぐ劇場に走れ。後悔はないはずだ。
逆に原作未読組を引っ張ってくるほどの訴求力はないようだ。
実際に原作未読の後輩がなぜか見に行ったようだが、
バトルシーン以外の評価は芳しくなかった。
ストーリー
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全編に渡って、キリトとアスナを軸にストーリーが展開する。
特にアスナはお話を駆動するキーパーソンとしての立ち位置。
物語前半はARに不慣れでヘタレなキリトに代わって、かっこいい面が見られるし、
後半は打って変わって守られるヒロインと化す。
それでも最後は二人肩を並べて戦うことになるのがキリアスであり、安心のブランド。
お話の流れは、いつものSAOらしく、ほんのりミステリー風味。
ARをめぐる小さな事件から、少しずつ事態が大きくなっていき、キリトらが解決に乗り出す。
全体としてみれば陳腐と言われてしまうかもしれないが、
視聴中は先が気になり、2時間きっちり楽しめる作り。
キリxアスにフォーカスするためか、特にリーファの出番が大きく削られており、
彼女のファンは不満が大きいかもしれない。
キャラクターの見どころ
ここからネタバレ度が高いので注意。
キリト
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主人公でSAO帰還者。二つ名は「黒の剣士」
SAOでは最高の反応速度を誇り、ユニークスキル「二刀流」を用いて、
一般的なRPGにおける「勇者」の役割をGM兼ラスボスである茅場晶彦に与えられた。
ゲーム内でアスナと結婚し、現実でも恋人関係にある。
VR空間では無類の強さを誇るプレイヤーだが、
「オーディナル・スケール」ではARである関係上、
日頃の運動不足がたたり、本来の実力を出せていない。
また本人の感情としても、ARについて懐疑的で、
「オーディナル・スケール」ランクは10万位以下と、やる気が見られない。
物語後半ではアスナに危害を加えられたことで覚醒し、鬼気迫る表情で鬼レベリング。
「オーディナル・スケール」ランク9位となり、2位のエイジと熾烈な戦いを繰り広げる。
アスナ
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メインヒロイン。SAOサバイバー。二つ名は「閃光」
SAOではその恵まれた容姿と周囲を惹きつけるタレント性、
高い知能や指揮能力、戦闘能力を茅場晶彦に買われ、
攻略の最前線で最大手のギルド「血盟騎士団」の副団長を務める。
「オーディナル・スケール」では普通にゲームを楽しんでおり、
物語開始時点で4桁と比較的高い「オーディナル・スケール」ランクを誇る。
物語後半ではピンチに陥ったシリカをかばうことで
SAO時代の記憶がフラッシュバックし、記憶を失うことになる。
シノン
ヒロイン序列2位。
自身のトラウマを治療するため、銃を主として戦うGGOというゲームをプレイしていた。
「死銃」事件でキリトと出会い、以降行動を共にしている。
プレイスタイルは生粋のスナイパー。
「オーディナル・スケール」でもスナイパーとして戦う。
リーファ
キリトの妹(実際は従姉妹)で、剣道有段者。
普段はキリトらと共にALOをプレイしている。
ヒロイン序列3位。
なのだが今回は物語開始早々に剣道部の合宿へ出発するため、
満足に出番がない。
一応ラストバトルでは出番を獲得し、キリトらに助力する。
その際の胸部強調が最大の見せ場。
リズベット
(出典:http://sao-movie.net)
SAOサバイバー。愛称はリズ。画像真ん中。
SAOでは鍛冶屋として、キリトらの装備を鍛えていた。
キリトに対して恋愛感情を持ってはいるが、
アスナのことも友人として大切なため、
キリトとアスナを見守る友人代表として距離感を保っている。
一貫していまひとつ出番と立ち位置に恵まれない。
ラストバトルではなぜか、相当格上の相手に善戦する。
きっとキリトさんがパワーレベリングしたんですね…
シリカ
(出典:http://sao-movie.net)
SAOサバイバー。
SAOではアイドルもどきとして自衛を図っていたが、
妬みを買ってしまい、陰謀に巻き込まれそうなところをキリトに助けられる。
珍しい「モンスターテイマー」であり、フェアリードラゴンの「ピナ」を相棒としている。
「オーディナル・スケール」では、
アイドルとしての「ユナ」に強い憧れを持っている様子。
出番に恵まれない、はずだったが今回はなかなかいい立ち位置を得ている。
物語後半では、図らずもアスナの記憶喪失の原因となってしまい、負い目を感じることに。
クライン
(出典:http://sao-movie.net)
SAOサバイバー。社会人。
SAOではギルド「風林火山」のリーダーとして、攻略組の一翼を担っていた。
キリトとはSAO開始時からの友人であり、一行のムードメイカー。
「オーディナル・スケール」でも率先してゲームを楽しんでいたが、
SAOサバイバーをめぐる陰謀に巻き込まれることになる。
物語中盤でエイジによる襲撃を受け、風林火山は全滅。
自身も怪我を負い、さらにSAO時代の記憶を奪われることに。
ユナ
(出典:http://sao-movie.net)
「オーディナル・スケール」人気を牽引するAIの歌姫。
配色的に悪役っぽい。
初音ミクを彷彿とさせる設定で、声の演技もAIっぽさを意識している。
とにかく劇中歌が必聴の出来で、完璧な配役。
エイジと何やら因縁がある模様。
物語後半では、SAOの犠牲者である重村教授の娘「ユウナ」がベースであることが判明。
「ユウナ」としての記憶を取り戻し、父親の暴虐を止めようとするが…
エイジ
(出典:http://sao-movie.net)
謎の青年。
「オーディナル・スケール」ランキングは2位で、
常人離れした運動神経を誇る。
SAOサバイバーをつけ狙っているようだが、その目的は…
重村教授
あの茅場晶彦が所属していた重村ゼミの教授。
「オーグマー」の開発者である。
ナーブギアの危険性を説いているが、その内心は…
オーグマーを用いてある目的を達成しようとしている。
まとめ
ファン映画としては正直これ以上はない出来で、
構成上ラストの駆け足感はあるものの、それ以外に文句をつける箇所はない。
細かい粗は探せば出て来るだろうが、
最初から最後まで、2時間半ぶっ続けで楽しめた作品を他に俺は知らない。
SAOファンなら絶対に観るべきだ。
あとユナさんには謝っておかないといけない。
当初は配色から悪役かと思っていたのですが、違いました。いい子でした。
エイジとの思い出の映像は、本当に綺麗です。必見です。
…そういえばエイジが救われた描写、あったっけ?